こんにちは、東京・千葉・神奈川と関東圏も一気に涼しい空気にかわりましたね!過ごしやすい^^
今日は100年以上前に使用されていたであろう、理容室の椅子を修理した事例のご紹介ですが、
一言で申し上げると。。すごい椅子でした。 その張替え修理した椅子はこちら。
じゃーん! すごくないですか? これが明治時代に理容室で使用されていた椅子のようです。 前面にはお馬さんの像が付いています。子供用の椅子と言うことで小ぶりですが楽しめるように、このようにお馬さんが付けられたのでしょうか。 この椅子を修理できたことに喜びを感じます^^ 修理の箇所はというと、一つは肘掛けの革の張替え修理。そしてもう一つは背もたれのヘッドレストの部分も損傷してしまっているため木部のフレームを制作し直しとなります。 そして最後はお馬さんの横に伸びている白い生地の交換です。 それではまずはヘッドレストですが、構造は車両シートのヘッドレストのような構造で、穴に出来上がった木のフレームを差し込んで、ヘッドレストは事前に頭の部分にクッションと生地を張って仕上げておきます。 フレームは、仕上げる角度と、頭があたる部分の窪みの深さ、そして違和感を極力無くすための仕上げろ色と使用する木の素材の種類にも気をつけました。 出来上がったフレームはこちらです。 ほぼ同様の寸法と形状を再現できたと思います。 そしてこれにウレタンクッションと革を張っていきました。 ウレタンクッションを張った状態のヘッドレストです。 本革も同様に張っていき後は、周辺に単鋲を打ち込んでから椅子本体に差込み、設置となります。 肘掛部分も同様にクッションを張替え、そして革を張替え、完成したのがこちらです。 椅子のヘッドレスト、両肘、お馬さんのロープ。これらが綺麗になりました^^小さいですが昔の椅子という事もあり、とてつもなく重たいです!男性1人でも移動するのは困難なくらいです。。 鉄のカタマリ。恐るべし。。。 他の座面や背もたれに関しては、通常の椅子であれば同時に直そうか。となるのですが今回こちらの椅子は展示製品、今までの歴史を残す意味でも状態はそのままでということで修理は致しませんでした。 大切な日本の歴史なのだと思います。 ヘッドレストの革も周りに鋲を打ち込んで修理前の状態を再現しました。 肘掛も綺麗になりました。 元々は昔の仕様なのでクッション材にはワラなどが使用されていたのですが、今後又状態を保つために行うメンテナンスのことも考え、藁では無くウレタン素材のクッションを使用致しました。 この様な椅子の修理に関わらせて頂いて誠に有難うございました。