今回ご紹介するのは、大人気を誇るIDEEのミーティングチェア。
洗練された曲線が美しいこの椅子、市場では中古も出回るほどファンが多いことで知られています。
今回ご用命いただいたIDEEのミーティングチェアは、品の良いゴールドです。残念なことに、生地の一部に剥がれが見られます。
お客様のご希望で、今回の生地の張替えでは雰囲気をガラッと変えて、クロコダイル調の合皮を使ってマットな感じに。
張替えのために使用したのは、
サンゲツUP877
クロコダイル調の型押しの白色の合皮で、ぐっと落ち着いた感じになります。
大人の雰囲気満載ですが、個性も主張の強い生地といえるでしょう。これを品よく張り替えるには、椅子のフォルムを活かすための張替え技術を要します。
それではまず、お客様のところからミーティングチェアを引き取った時の状態です。
すっきりとしたフォルムの椅子だけに、剥がれが痛々しい感じです。 椅子の裏側には、IDEEの文字。しかし、ここももこんな感じで傷みが目立ちますね。 古い生地を剥がしてみましょう 内部のウレタンクッションもこのように消耗してしまっております。 幸い、木部には目立つ損傷や傷みはなし。 というわけで、クッションを修正します。 純白のウレタンで全体のフォルムを整えクッション性も戻すことで、フォルムがさらにすっきりした印象になります。 ここから、パターンを製作し、サンゲツの生地を裁断します。 そして、裁断した生地を本体に張りこんでいきます。 シンプルなフォルムは意外と技術を要します。クロコダイルの柄は、単純なように見えて位置を決めるのは難易度高し!椅子のセンターに合わせてまずは、以下のように本体を包み込むように生地を張っていきます。 新しい生地が、まるでこの椅子のために生まれたかのような錯覚を起こしますね。サンゲツの生地をぴったりと馴染ませていきます。 そして完成です。 ゴールドも素敵でしたが、白になると大人びた洗練度が増す感じです。 後方からの眺めです。背面から見ても、型押しの合皮でより豪奢な雰囲気を醸し出しています。 ビフォーアフターで、その生まれ変わりぶりが一目瞭然です。 サンゲツの合皮の生地によって、椅子に量感が生まれました。 同じお客様からご用命いただいた張替えの椅子2脚、並べるとこのように。 ビフォー アフター モノトーンでまとまり、きっとお部屋の中でよいアクセントとなることでしょう。 このように、椅子の張替えによって、もともとのフォルムの美しさが強調されるケースが大半です。 椅子の張替えを行うについては、内部のウレタンクッションの具合もしっかりチェックします。今回のようにウレタンクッションを整えるだけで、座り心地もシルエットも購入当時のようによみがえります。 また、椅子がもつ価値にあった生地を組み合わせることで、耐久性においてもメリットあり。サンゲツの生地は、まさにIDEEの椅子にふさわしいことが、写真からもご覧いただけると思います。 このように大事にケアしていただければ、愛着のある椅子も長くご愛用いただけます。