みなさまこんばんは、今日の椅子の修理のお話ですがご紹介するのはこちらの椅子になります。 【椅子の購入場所】大塚家具 【椅子ブランド】 不明 椅子の張替えのお話 No 687
【張地】合皮 【施工内容】生地の張り替えと凹み修理
【ご依頼地域】 横浜市
今回お預かりさせて頂いた椅子は、椅子の座面が凹んでしまっているのでその凹みを直して欲しいというご相談を頂きました。
★修理前の椅子の写真
修理前の椅子はこの様に、合皮が劣化して座面の手前の部分が割れてしまっているのが分かりますが、PVC素材だと年数が経つとこんな風に割れてきちゃうんですよね~( ノД`) そして椅子のデザインが元々真ん中が湾曲しているとはいえ、座面の凹みが大きくオーナー様もその凹みを修理してほしいという相談を頂きました。 \ 椅子やソファの豆知識 ♪ \ 👇 椅子に使われる合皮には「PVC」という塩化ビニール樹脂を塗布してできたものと「PU」というポリウレタン樹脂を塗布したものがあるよ。 どちらも下地には布などが使われているが、それぞれの特徴は異なってくるんだ。 PVC特徴 :比較的値段が安めの物がおおい :水弾きがよくメンテナンスが容易 :表面がPVCに比べ硬くつるつるとしている :加工性が高く色々な色やデザインを作りやすい :劣化してきて来たときには表面が割れてくる PU 特徴 :PVCに比べ表面が柔らかく弾力性があり上質な質感がある :合皮の中では値段が高め :PVCに比べて通気性がある :劣化した際には加水分解を起こし表面がポロポロと剥がれてくる(湿度の高い場所などは加水分解を起こしやすい) そして座面のクッションが凹んでしまっているというのが、一番のお悩みだったのでまずが劣化してしまった椅子の座面の生地を剥がして、凹みの原因もチェックしていきました。 そうすると、座面が凹んでいたのは中のウレタンクッションというよりも、クッションを下で支えるSバネと、紐が傷んでしまっていたのでバネの効果がかなり弱くなってしまって、その為に椅子の座面が凹んでしまっていたことが判明しました。 この上の写真が座面をフレームから外して裏返ししたところの写真ですが、見てのとおりクッションの下にはSバネが3本と、そのSバネをホールドするために紐が通っています。 でも、その紐をよく見るとところどころ切れてしまっているのが分かるかと思いますが、これでは紐の効果が無く Sバネも真ん中のバネが曲がってしまっています。 \ 椅子やソファの豆知識 \ 👇 椅子やソファのクッションを支える構造は、ウレタンなどのクッションの下に何らかのクッション性のあるバネが取り付けられていることが多く、そのバネでクッション下の弾力性や耐久性を保っていることが殆どなんだよ。 そのバネの種類には 1.Sバネ(エスバネ) 2.コイルスプリング 3.ウェービングベルト などが主にあるんだけど、海外製のソファやアンティークの椅子やソファには、弾力のあるゴムだけで出来たネットやベルト、麻のネットやベルトなどもあるよ👀 バネやスプリングやベルトなどはコスト面や、構造やデザインなどによって使いわけられていて、それぞれに特徴があるんだけど、椅子やソファの座面の凹みは生地の中のクッションにも原因がある場合もあるけれど これらのバネに原因がある場合は、クッションだけを交換や補充しても解決されない場合もあるから、凹みやヘタリが一概にクッションだけが原因とはいえないってことが多いんだ👍 先程の劣化してしまった椅子のバネの部分は、Sバネを交換して紐の代わりにはエラスベルトで補強しました。 そして直した座面をもう一度、椅子のフレームに組み直して修理完了です。 4脚全て修理させて頂きました。 これでダイニングでまた活躍してくれると嬉しいです♬ 椅子やソファの生地の張り替えの他、パーツやクッションなどの修理もお困りの際にはご相談お待ちしております。