皆様こんにちは、ファニチャーリペアテーブルです。
弊社では椅子やソファの修理や張り替えをさせて頂いてますが、今回はその中でもお問合せの多い製品の一つ、カッシーナの「キャブチェア/CAB chair」に焦点をあてて、キャブチェアの修理やメンテナンス方法を、実際の修理事例を交えてご紹介させていただけたらと思います💺
一般家庭やオフィスなど、多くの場所で使用されている椅子かと思いますので、ご紹介させて頂く事例と、同じような劣化でお困りの方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
・CABchair / キャブチェアとは ・いろいろなタイプのキャブチェア ・革の表面のシミ ・座面や背凭れに付くキズ ・椅子の小口の剥がれや色落ち ・染み跡の修理事例 ・キズや小口(コバ)の修理事例 ・キャブチェアをカラーチェンジした事例 それでは早速まずは、カッシーナのキャブチェア/CAB CHAIRとはどの様な椅子かというと、 イタリアの「マリオ・ベリーニ」という著名なデザイナーがデザインをしたCABシリーズという製品があり、 その中の椅子タイプの製品がキャブチェアということになります。 デザインされたのが1977年ということで、すごい歴史のある椅子ですよね! 柔らかいファブリックや合皮のカバーリングの椅子は沢山ありますが、キャブチェアを最初に見た時に、 普通の椅子張り用の革に比べて硬さや厚みのあるヌメ革が、椅子のフレームに革1枚でカバーリングされているこ とに斬新さを感じたのを覚えています。 そんなカッシーナのキャブチェアですが、椅子のタイプも幾つかあるようなのでその種類をご紹介出来ればと思います。 カウンター用のキャブチェアになり、長く伸びた脚のフレームが特徴で、ハイバックやローバックタイプがあります。 モダンなバーカウンターなんかにすごく合いそうな椅子です。 ダイニングやリビングやデスクなど、幅広い場所で使えそうなスタンダードなサイズの椅子。 アームレスタイプのキャブチェアです。 412キャブの肘掛のついたバージョンと言えばいいでしょうか、ゆったりと肘をおいて座れるパーソナルチェアです。 こちらも412キャブと同様に場所を選ばずに使えて、使う場所に高級感を演出してくれそうです。 子供用サイズのキャブアームレスチェア、他モデルと同様にカラーも豊富で可愛らしい椅子です。 サドルレザーを使っているという重厚感たっぷりのアーム付きのパーソナルチェアです。 スツールもセットされていて、他のキャブチェアより更にワンランク上の高級感を感じます。 椅子ではありませんが、キャブシリーズのベッドフレームになります。 サドルレザーとソフトレザーを組み合わせてあるという、一度はここで寝てみたいと思わせてくれるベッドです。 ご紹介したように、高級な革と熟練の技術でつくられたキャブチェアですが、とても素晴らしい椅子だと思いますが、やはり形あるものはいつかは劣化はしていくものです。 椅子の革が劣化してしまった時には、どの様に劣化してしまうケースが多いのか幾つかピックアップしてまとめてみました。 質の高いヌメ革が使われているキャブチェアですが、カラーが豊富で色々な色を選べるようです。 その中でもナチュラル色のキャブチェアに多いかと思いますが、革の表面に水染みや油染みなどの染みがついてしまい、取り除く事が難しいというご相談を頂きます。 下の写真をご覧ください 👇 ナチュラル色やコニャック色などの、比較的薄い色合いのキャブチェアに多い事例だと思います。 こちらの写真は413キャブチェアになりますが、このように大きい傷や小さな傷など、椅子をつかっていくと 何処かに引っかかってしまった、犬や猫が椅子を引っ掻いてしまったなど、傷が付く事もあるかとおもいます。 ホームセンターやネット上などには、皮革製品の傷隠しや塗料など、最近は手ごろに購入できる製品も販売されているので、ほんの少しの傷などであればDIYでのメンテナンスを可能かもしれません。 こちらの412キャブチェアは、革の淵の周り(小口やコバなどといいます)が全体的に剥がれてしまっているのが分かると思いますが、キャブチェアのメンテナンスを受けさせて頂く中でも、多くの椅子がこの小口部分が剥がれてしまっています。 年数を経過してしまっている場合は、このような劣化はある程度仕方がないのかと思います。 加えて、全体の革の色も薄くなってしまっているのです。 ここまでキャブチェアの劣化について、よくご相談をいただく内容を紹介していきましたが、では実際に修理に お預かりさせていただいた時は、どの様な仕上がりになるのかをご紹介させて頂けたらと思います。 まずは、染み跡が出来てしまった時の修理事例ですが、写真を見て頂くのが一番早いですね^^ 早速ビフォーアフターの写真を見て頂きたいと思います。 『修理前のキャブチェア』 先程もご紹介させていただいた写真ですね。 基本的には今回ご紹介させていただいた劣化は全て塗装修理で修理を行いますが、修理の手順としては以下になります。 1,椅子の革の表面から余分に溜まった油分や、汚れを取り除くために一度洗浄する 2,洗浄後に乾燥をさせたら、革表面を整え、塗料の乗りを良くするために研磨作業を行う 3,2で行った研磨作業の第二段階。 再度目の細かな研磨剤にて研磨をし表面を整える 4,調色した塗料と薬剤を混ぜたものを、革表面に少しずつ塗布していく 5,乾燥と塗料の塗布を繰り返し、乾燥させながら何度も薄く吹き付けを重ねていく 6,しっかりと塗料が密着し、表面も奇麗に塗装出来たことを確認出来たら再度24時間~36時間ほど乾燥さ せる 7,艶加減を調整しながら、クリアコーティングを行い完成です この様な職人さんの作業の手順を経て完成した、キャブチェアの様子がこちらになります。 奇麗になりましたね! それでは次の事例に行きたいと思います。 こちらも同様に先程ご紹介させて頂いた椅子の写真ですが、革表面の傷や色褪せ、そして小口の剥がれが相当あります。 これも同様に塗装で施工させて頂きますが、小口の処理だけは少しだけ方法が変わってきます。 『修理後』 変色とか退色も奇麗に修正されて、クスミが無くなってかなり奇麗になった印象です。 キズもメンテナンスされました。 小口の部分に関しては、同じように塗料の種類や配分を変えて丁寧に処理していきます。 秘密の道具、綿棒の登場です。 つかう道具はそれぞれ職人によって変わる事はありますが、小口に関しても、何度も塗布と研磨と乾燥を繰り返して奇麗な状態まで仕上がっていきます。 続いては、先ほどの事例の様にキャブチェアの革にシミが出来てしまった場合など、折角修理するのであればこれからは同じような症状で困りたくない。 という事で、塗装すると同時に色を変えたいというキャブチェアのオーナーさんもいらっしゃいます。 そんな事例をご紹介出来ればと思います。 『修理前』 まずはこちらのマットアイボリー色の413キャブになります。 こちらを、今後汚れの目立たない色へ変えたいという希望をいただいて、傷などの修理と同時に黒へカラーを変えさせて頂きました。 『カラーチェンジ後』 そしてもう一つ、赤茶のアームレスチェアとアーム付きの413、こちら2脚をトープ色へ色変更しました。 『変更前』 『修理とカラーチェンジ後』 色を変えると、今まで家にあったキャブチェアも、違うものや新しい椅子が来たかのように感じる事が出来るのではないでしょうか^^ いかがでしたでしょうか。 今回は、カッシーナイクスシー、もしくはカッシーナの「キャブチェア/CAB CHAIR」についてお話させて頂きました。 同じような劣化でお困りの方もいらっしゃったのではないでしょうか? どんなに酷く劣化しても塗装修理で修理できる! というのは難しいですが、劣化の状態によっては塗装修理で修理出来る場合も多くあります。 お使いのキャブチェアが傷んでしまった場合など、少しでも長く良い椅子を使い続けて頂くために参考になってくれると嬉しいです。 ファニチャーリペアテーブル (東京)03-6869-4017 (千葉)0470-62-6361 Mail : contact@tableinc.net
目次
1.キャブチェアの種類や特徴
2.キャブチェアの劣化事例
3.キャブチェアの修理事例ビフォーアスター
4.まとめ
1,キャブチェアの種類と特徴
・キャブチェア(CAB CHAIR)とは
・いろいろなタイプのキャブチェア
★ 410CAB / キャブカウンターチェア
★ 412CAB / キャブアームレスチェア
★ 413CAB /キャブアームチェア
★ 412CAB BABY /キャブベビーチェア
★ 423CAB LOUNGE / キャブ ラウンジアームチェア
★ L50 CAB NIGHT / キャブナイトベッド
2.キャブチェアの劣化事例
// 革の表面のシミ //
// 座面や背凭れに付くキズ //
// 椅子の小口の剥がれや色落ち //
3.キャブチェアの修理事例ビフォーアスター
// 染み跡の修理事例 //
// キズや小口(コバ)の修理事例 //
// キャブチェアをカラーチェンジした事例 //
4.まとめ