イギリスはロンドンのブランド オルソープの本革フットスツールの修理をご紹介致します。
革表面にはボタン締めされたデザインとなっていてアンティーク家具らしいスツールです。
素材の痛み具合としては革の表面にひび割れが見られ、ボタン締めから延びる折り込みの部分に沿って
傷も数か所ありました。そして座面へこみ具合も気になると言う事で椅子の中に張り込まれているウェービングベルトの交換も行いました。
ソファーや椅子に使用される皮革素材は、人が座る為に洋服や肌への色移りを防ぐために色付けが顔料塗料、仕上げのコーティングはしっかりとされている物が殆どです。
その為に製品が新しい状態では表面への傷は付きにくいのですが、年数の経過と共に革の柔軟性が失われ紫外線などによる革の硬化が始まると割れが生じやすくなってしまいます。
要所要所で適度な水分も革には必要という事でしょう。
修理前の椅子の状態はこちらです。
ある程度のひび割れは見受けられましたが、張替え修理を行う前に塗装修理での修繕が可能な状態でしたので塗装による修理を行いました。
皮革の塗装修理は数ある塗装修理の中でも難しい修理と言われています。
何故かというと素材に動きと柔らかさがある為に、しっかりとした塗装前の処理作業を行い乾燥期間を十分に設けないと塗料が定着せずに傷も治りません。
そして素材自体が動くために傷も埋まりにくくなります。
そういった色々な要素に注意を払いながら修理を行います。
(修理前)
(修理後) 色のくすみも改善されヒビや傷も修復されました。 今回は裏側のベルトも交換しておりますので、座り心地も改善されています。