ソファの修理といえば、生地の張替えやクッションの交換、木部の修理などが多くを占めるのが実情です。
しかし、それぞれのご家庭や企業で使用されるソファや椅子は、環境に応じた劣化の仕方があり、またお客様のご希望も千差万別。
それに応えるのが、我々の仕事です。
本日の修理案件は、アメリカのハーマンミラー製の本革ソファ。
いかにもアメリカらしい大らかさがあるソファですね。
ご覧いただくと、背もたれの部分は劣化がほとんど目立ちません。やはり、ソファの最も劣化しやすい部分、座面に問題があることがおわかりいただけると思います。 ソファの座面部分をズームしますと、座面の革を締めているボタンが外れてしまっているのがわかります。 座面の革も、ひび割れが目立つ感じです。 そして、このソファの座面張替えにさいして、お客様からのご希望がありました。 それは、今後このボタンがまた外れてしまうのを避けるために、締めのボタンなしの状態に仕様を変更して張替えをしてほしいというものでした。 また、クッションのウレタンもお客様の感覚では固く感じられるため、もう少し軟らかめにしたいとのこと。 もちろん!すべてのご要望にお応えいたします! ソファのお預かり後に施工を進めて、まずはソファクッションのベースとなるクッションの交換。 こちらが、少しやわらかめに仕上げたウレタンクッションになります。 座面部分に設置すると、このような感じになります。 張替え用の革を裁断していきます。 そして、縫製。 近くで見ると、自然な黒革の感じがよくわかります。 座面のカバーが仕上がりました。 ご要望通り、ボタン締めをなくしプレーンなカバーに仕上がりました。 そして、張替えも完了して ウレタン交換後のソファの姿です。 背もたれの部分はそのままですが、締めのボタンのない座面とも違和感なく溶け合っています。ウレタンを柔らかめにしても、座面のフォルムはいっさい崩れていませんね。 全体像もご覧ください。お客様のご要望を反映した修理方法でも、オリジナルの風格は失われていません。 座面の部分は凹凸がなくなり、すっきりとした印象になりました。 ブランド力のあるソファや椅子といえども、一度購入してしまえばそれは非常にパーソナルなモノとなり、まさに生活の一部と化します。購入時に試しただけではわからない不都合も、使っているうちに生じてくるのは当然のことです。 もちろん、年月を経ることによって生まれる劣化を、相応の方法で修理するのは我々の本分です。しかし、座り心地の悪さを矯正することも、日々をともにするソファをご愛用いただくには大事な要素。ぜひ、躊躇されずにファニチャーリペアテーブルまでご相談いただきたいものです。