ソファも人と同じで、見た目は問題がなくても年を経るとともに内部で劣化が始まります。
しかし、丁寧に生地などを普段からケアをしてあげれば質の良いソファはかなりの長寿を保ってくれます。
今回ご紹介するのは、イタリアは南部プーリア州に本拠地を置くナツッジのソファ。
お客様は、こちらのナツッジのソファを10年ご愛用。
お問い合わせをいただいた内容は、購入当初と比べるとクッション部分がへたった感じがして座り心地が変わってしまったというものでした。
お客様のところから、ナツッジのソファをお預かりした時の画像です。
問題の座面に注目してみましょう。 風格が出てきた革には、黒ズミや汚れなどもやはり目立ちますが今回の修理箇所はクッション部分。 クッションの高さは左右の座面で少し違い、見るからに張りがなくなっているのがわかりますね。高さも沈んでしまっている感じ。 ウレタンクッションの劣化はどうなっていたかといいますと、中をあければこんな様子でした。 10年の年月を感じますね…。 しかしこれは、新しいものに代えればソファの座り心地は元に戻ります。 ウレタンクッションの交換時期はどの程度なのかと聞かれる事もありますが、結果からいうと正直色々です。 ソファの作りや使用環境によっても大きく変わってくるのかと思います。 使用年数が5年程で直して欲しい、という声を頂くこともありますし、15年経過したソファのクッションでもこのままで良い。 と言われるお客様もいらっしゃいます。 クッションとして機能するしない、使えるか使えないという話とは別に、ウレタンクッション自体は5年過ぎたあたりから劣化は始まってくるのではないかとは思っています。 今回のソファは私たちの目から見て修理をした方が良いと思ったところは、ウレタンクッションの下を支えるエラスベルト(ウェービングベルト)の劣化でした。 それが、こちらです。 座り心地を決める芯の部分ともいってよいベルトに、弛みや伸びがありました。 これでは、せっかくウレタンクッションを新調しても、座り心地の改善は望めません。ウレタンを支えきれずに、結局沈んでしまうためです。 ベルトの本数も増やし、クッション部分を支える力にさらに強度を加えることに。 網目のようにめぐらしたベルト、ピンッと張って見た目も美しい。これが、クッションをしっかりと支えてくれます。座り心地も、格段に良くなることまちがいありません。 ウレタンもこのように新しいものに交換。 いざ、出来上がりです。 最初の画像と比較しても、座面の張り具合は一目瞭然ですね。 ご自宅にソファが帰還!さて、どうでしょうか。 こちら修理前の座面になります。 このように、ソファのケアは外観にこだわるカバーの張替えだけではありません。 外観に特に問題がなくても、座り心地に違和感を覚えた時は、ケアのタイミングかもしれません。 長時間を過ごすソファ、沈み込み始めると姿勢が崩れあちこち痛みを覚えることも多々。 購入時の座り心地を取り戻すだけではなく、改善点があれば率先してご提案させていただきます。