海外には名だたるソファや椅子ブランドが数あれど、イタリアのカッシーナの突出した知名度は万人が認めるところです。
家具にそれほど詳しくない人でも、その名を耳にしたことがある人はとても多いと思います。
今回修理のご依頼をいただいたのは、そのカッシーナのレザーチェアの中でも人気のシリーズ「412 CAB」。
https://www.cassina-ixc.jp/shop/g/g412cab/
1977年に世に出て以来、ロングセラーを続けるだけではなく、数々のメディアからも絶賛されているカッシーナの傑作といってよいでしょう。
お客様からご依頼いただいたこの椅子は、革の擦れ傷や剥がれがありました
こちらが、その椅子です。 パッと見ても、「これで修理の必要があり?」と思われるかもしれませんが しかし、革に大きな傷や破れなどはありませんでしたが、色落ちや脚のエッジ部分などに擦れなどがあり、また、よくよく見ると小さな擦り傷などもいくつか認められました。 お客様のご要望も、色落ちしてしまったこのレザーをなんとかしてほしいというものでした。 一見したところきれいな茶色ですが、本来は暗褐色のレザーでした。 というわけで、椅子の修理といえば圧倒的に多い座面やレザーの張替えは、今回は無縁です。 レザーの色を取り戻すために、全体の再塗装で対応することになりました。 修理後の姿です。くりかえしますが、革の張替えは一切行わず、再塗装のみで対応したけっかが、これです! 本体は、「タバッコ」と呼ばれる焦げ茶色だったのですが、その色が戻りつややかさも取り戻すことができました。 カッシーナのモダンを実感できる美しいラインですね。 レザーの贅沢感とデザインのさりげなさ、再塗装によってよみがえりました。 もういちど、修理前の椅子の様子をご覧ください。修理後と比べると、やはり色がさえないことがお分かりいただけたと思います。 再塗装後の姿も再び。 というわけで、椅子の修理とはなにも生地の張替えばかりではないのです。 修理するわれわれとしても、このようにマメにお手入れをさせていただくことは、椅子やソファの寿命を長くすることにもつながりますから、非常に喜ばしいことだと思っています。 張替え修理と比べると、再塗装の修理は金額的にもメリットがあります。 以前の革の色と比べると少し色落ちしてきた、日焼けしてきたなど、特に破れなどがない場合もご相談いただければと思います。