ソファの役割とはなんでしょうか。 ソファは、家族や仲間とともにリラックスして集う場所にある家具であることはまちがいありません。 また、その大きさからも今の中心に鎮座しているのがソファですね。 ソファのサイズや色によって、部屋が人間に与えるイメージは大きく異なってきます。 実用性やデザイン性、ソファの選択にはそれを選ぶ理由となる要素がいくつかあると思いますが 今回は、ソファの色の選択について考えてみたいと思います。 まず、ソファを選ぶにあたっては居間の雰囲気をどのようにするのか決定する必要が出てきます。 ショールームを見るのもよいのですが、まずはインテリアの雑誌などをパラパラとめくったりするのも一つの手、「私はこれが好き!」と思える理想を明確にしてみましょう。 あるいは、雑誌やショールームのアイデアから、独自のインスピレーションを得ることもあるかもしれません。 最近は、雑誌だけではなくインテリアをテーマとしたサイトもネット上にたくさんありますので、そうした画像を参考にして、気に入ったものは「お気に入り」に入れたり、これだけは譲れないという要素を書き残したりすることもとても有効です。 こうした理想が明確になっていると、いざソファを購入する段になってプロに相談しても、物事がすいすいと進みやすいと思います。 すでに居間が存在していて、既存の家具の色を考慮しながらソファを購入する場合はどうでしょうか。 この場合も、自分の好みをまず明らかにしてみましょう。補色の関係で対照的な色を用いるのが好きなのか、あるいは同色系で濃淡をつけるのが好きなのか、これも雑誌やサイトの画像でいくつかの例を見てみるとよいでしょう。 補色の関係を用いる場合は、こんな感じです。 すでに部屋にある装飾がオレンジ系である場合には、ソファはブルー系を持ってくると補色の関係になります。紫色ならば、黄色。 ただし、こうした色調はかなりビビッドになることは否めません。もちろん、あらゆる色にはさまざまな濃淡のレベルがありますので、パステル系の淡い色でまとめれば全体はかなり落ち着きます。 家全体のバランスも考慮して、対象色を用いる問かもしれません。 また、同色系の濃淡を利用する場合は、体積の大きいソファはニュートラルカラーにして、小物類でアクセントをつけると、のちのちのインテリアの変更にも便利ですね。 色にはさまざまなトーンがあるかとおもいます。 ベースとなる色調がそろっていると、補色の関係でも濃淡系でも、案外きれいにおさまります。 たとえば、クール系といわれるトーン。 これは、ベースがブルーの色調をさします。 極端な話、ピンク系にも色調はさまざまあります。ブルーをベースにしたピンクの代表が、フクシアピンクです。黄色、緑などのクール系も、ブルーをベースにしたものを選んでいくと色調がまとまります。 ウォーム系はどうでしょうか。 こちらは、黄色をベースにしたものがそれです。ピンクならば、極端な例でサーモンピンクがそれにあたりますね。 緑色で見てみると、クール系の緑はミントグリーン、黄色系のグリーンはカーキ色といった具合。同様に、グレイという色にもブルー系とイエロー系があり、印象はかなり異なります。 こうした色調の相違も、インテリアのプロに聞けばわかりやすく説明してくれます。どちらの色彩の中にいるほうが居心地がいいのか、ショールームなどで試してみるのも一興です。 たいていは、ソファの色は無難にニュートラルカラーを選ぶことが多いでしょう。 ベージュ、グレイ、クリーム、このあたりがニュートラルカラーと呼ばれるものです。つまり、どんな色のインテリアを用いても、たいていの色とは調和を成すカラーのことです。 いっぽう、体積の大きいソファに華やかな色を用いて、周りのインテリアをニュートラルカラーにするという発想の転換も素敵かもしれません。洋服でいえば、ボトムとトップの色の配分をひっくり返してしまうようなイメージです。 たとえば、白系のカーペットや床の上に、深紅のソファを用いるといった具合です。あるいは、オレンジ色やブルーのソファにグレイの濃淡の小物で調和をとっても素敵ですね。 華やかな色のソファを選ぶのは、これまた至難の業です。先行き飽きてしまわないかと悩む方も多いと思いますが、これもご縁なのですね。一目ぼれしてどうしても忘れられないソファというのは、案外長いおつき合いになることが多いのです。 とはいえ、大半は無難な色のソファを選ぶことが多いので、その利点も見てみましょう。 まず、家を引っ越す必要がある場合も、ニュートラルカラーのソファならばまず間違いなく新しい家の壁や床にも無難に合うことがあげられます。 また、ソファの色そのものは地味でも、冬にソファにさりげなく置くブランケットに華やかな色や柄のものを用いたりすれば、一気にイメージを変えることができます。その色に飽きたら、小物でいくらでもイメージを変えることは可能です。ソファを買い替えたりカバーを張り替えたりすることは、せいぜいが数年に1回。飽きてしまったからといって、頻々に買い替えたり張り替えたりすることは費用の点からいっても簡単ではありません。無難な色を選ぼうという選択は、賢明な選択なのです。 ソファの色を決める要素は、なにも屋内の色だけではありません。窓の外の色も、ぜひ考慮してみてください。たとえば、窓の外に濃い緑の木がある場合はクール系の薄い色とは調和しにくく、黄色をベースとしたアーストーンと素敵に合います。窓の外に見える家の塀が、白なのかレンガ色なのかによっても、ソファの色の映え具合は異なってきます。 もちろん、家族構成もソファの色を決めるうえで大事な条件になってきます。小さいお子さんがいる家庭やペットがいるお宅では、汚れが目立たない濃い色を選ぶのは常識といえるかもしれません。子どもさんたちによる食べ物の汚れ、ペットの抜け毛がなるべく目立たない色についても、インテリアのプロからの助言を求めてみましょう。これは、色だけではなく素材についても同様です。最近は、ファブリックや合皮の新しい技術が次々と誕生していますから、そのあたりの情報もお店のプロからゲットしてみましょう。 ソファの劣化のひとつに、日焼けによる色落ちがあります。これは、案外ソファの色を選ぶうえで盲点になるのです。 というのも、通常は家の中でも日当たりの良い位置に居間があります。テレビを見るときに逆行にならないかなどを考えながら家具を配置していくことになりますが、日当たりの良いところにソファを置くとカバーの色落ちが加速してしまうのです。 もし、日光が当たる場所にソファを配置するのならば、グレイやクリーム色など影響を受けにくいものを選ぶのも選択のうちです。 居間を使用する目的も、家庭によってさまざまです。 家族がつどっておしゃべりをする、テレビやゲームをする、リラックスをするなどなど。 小さいお子さんがいて、居間がエンターテイメントの様相を呈しているのであれば、赤や紫などのビビッドな色がよいかもしれません。いっぽう、リラックスをしたりテレビを見ることが多い場合は、心が鎮まるような色やテレビを見るときに邪魔にならない色、つまりニュートラルカラーがベターといえるでしょう。 色と同じように重要なのが、ソファの生地の選択です。 一般的に、耐久性が高い生地はウールやコットン、革です。最近は、合皮でも汚れにくく掃除がしやすいものがありますから、お子さんがいる場合はこうした選択もありかなと思います。 逆に、ベルベットやシルクといった素材は、お子さんやペットがいる家庭ではベストとはいえません。 ショールームで生地のサンプルを見てもピンとこない場合は、お店と相談して実際の居間でサンプルを広げてみるのも一つの手です。サンプルだけ見てもピンとこない場合も、実際の空気の中で見ると納得がいくかもしれません。 多忙な毎日の中で、ついつい怠りがちになるソファのケア。しかし、これこそがソファの寿命を決める一大要因です。数年に一度、ソファの汚れや破損についてチェックすることをお勧めいたします。プロの業者であれば、その時に最もふさわしい理に適ったケアの方法で対処してくれます。 ソファの色や素材の決定は、決して簡単ではありません。 予算、家族構成、家や今の全体の雰囲気などなどが基本ですが、よくよく分別を働かせて先々飽きがこないものを選ぶようにするのも大事なことですね。とはいえ、直感というのも無視できないので、そのあたりは経験者やプロの言に耳を傾けてより良い選択をしてみてください。