ソファを購入するためには、デザインや材質、ブランド力などなど、選択のために参考となるものがたくさんあります。しかしいくらデザインや材質が気に入っても、ソファの本質は「座ること」。座り心地が最重要事項になります。ここで案外頭を悩ましてしまうのが、ソファの高さや座面の奥行きなのです。今日は、こうした座面の問題についてご紹介したいと思います。 普段はあまり気に留めることもないソファの高さや奥行きですが、慣れ親しんでいる自宅のソファはともかく、よそのお宅や会社訪問をしてソファに座った時にはその違いを実感することが多いかもしれません。思ったより座面が低いソファであれば、思わずしりもちをつくような感覚になることも多々あります。また、座面の奥行きがありすぎて、なんとなく座るポーズが落ち着かなかったなんていう海外ブランドのソファを経験した人もあるかもしれません。 この座面の高さと奥行きは、生活スタイルとも鑑みて決定する必要があります。それはどんな理由によるのでしょうか。 まず、座面の高さについてみていきましょう。 ソファの座面の高さは、一般的には床から40㎝とされています。40cmがスタンダードですが、部屋の広さや座面の奥行きによってこの高さも上下するのです。 まず、ソファを置く部屋の空間がコンパクトな場合は、ソファやテーブルとの間の空間なども考慮して、座面の奥行きは比較的浅くなります。奥行きの浅い座面のソファは、必然的に少し高めになるのです。なぜならば、浅く腰かけた場合は足の置き場のスペースが必要になるためです。 逆に、座面の奥行きがありお尻の位置が背もたれのあたりに来ると、足の置き場のスペースもそれほど必要ではなくなります。というわけで、低めの座面のソファが実現することになるわけですね。 座面の高い低い、あるいは奥行きの浅い深い、これは個人の好みの問題や居間のスペースの問題がまず決定条件となります。 その他には、お子さんやペットがいる場合には、あまりに座面の位置が高いソファは怪我をする可能性も出てきます。そのため、こうしたご家庭は比較的低めのソファを選ぶ場合も多いのではないでしょうか。 ソファには国産のものから海外ブランドまでさまざまなタイプがあります。 一般的に、天井が高めでスペースに余裕のある海外製のブランドのソファは、数字で見れば、75~90cmもの奥行きのあるゆったりしたタイプも多いようです。 もちろん、海外にも背もたれが高く座面の奥行きが浅いタイプも存在します。 背もたれが高くなるとソファにも風格が出るのですが、そのぶん圧迫感があることも否定できません。 コンパクトな日本のソファでは、奥行きが浅いタイプであれば50cm前後というタイプも存在しますが しっかりとくつろぐのであれば個人的には少なくとも70cm前後は欲しいかなと思っています。 新婚家庭でコンパクトなアパートなどでソファを使用する場合は、こうしたこじんまりとしたソファが収まりがよいことになります。 逆に、座面の奥行きが深くゆったりとしたソファを置くには、それなりの空間が必要になってきます。座り心地もさることながら、このタイプのソファが鎮座していると気持ちも優美になってくるのは、ソファが浅く広く置かれている空間による効果といえるでしょう。 それでは、比較的座面の奥行きが浅く座面が高いタイプのソファにはどんな特徴があるのでしょうか。 まず、当然のことながらソファとしてはすくっと上に向かうイメージになります。浅く腰かけて文字通り地に足がつく感じになりますので、姿勢もよい印象で腰掛けることになります。商談などの場合は、座面は浅めのソファのほうが背筋も伸びて仕事の雰囲気が出るかもしれません。 また、高齢者の方にとっては、このタイプのソファであれば立ったり座ったりする場合に足腰にかかる負担が少なくなってきます。 実際にお客様の声の中で、奥行があり過ぎて座面がふっくらしすぎて腰が痛くなる。。。 というお声を耳にする時も少なくないのです。 座面が低いソファは、座面の奥行きが深くなる傾向があります。そのため、ぱっと見た感じ部屋の中で平たく見える特徴があります。広々とした印象に寄与するのが、このタイプのソファです。 座面が深いため、深く腰掛けて少し寝そべる感覚にも似ているかもしれません。つまり、リラックス効果が高いのです。 また、床と座面の距離が近いことから、床に敷かれた絨毯に直接座っている人とも、近い目線の高さでコミュニケーションができます。 高さも低いので圧迫感も少なく、ソファの高さで部屋の印象も変えられるかと思います。 座面の奥行きの浅い深い、あるいは高い低いは、テーブルの位置とも関連があります。 まず、生活の中で人が1人移動するためには、ソファとその他の家具やモノとの間には最低でも60cmの幅が必要と言われています。 ソファの前には、一般的に低めのテーブルやテレビを設置することになります。ソファとテーブルのあいだは、50cmはスペースが欲しいもの。もし、座面の奥行きが深く座る位置が低いソファの場合は、もう少しテーブルとのスペースが必要になってきます。 というのも、ソファの幅とテーブルの空間のバランスや、人がソファに座ったり腰掛けたりする場合のスペースがこの場合は大きくなるためです。 また、テレビとソファのあいだにも、最低1,5mの空間を確保するのが基本的な考え方。 居間のスペースに余裕があり、ソファを向き合うように置く場合には1,6mほど離して設置することを心がけると、部屋の中にぎゅうぎゅうと家具を押し込めたという印象からは免れることができるかとは思います。 ソファの背もたれも、座りやすさの正否を決定する大きな要素になります。近年は背もたれの角度が調整できるソファも増えてきました。 しかし、まだまだ大半は背もたれの高さや角度については、購買時に決定する必要があります。 もちろん、クッションを置くなどして背もたれの具合を調整することは可能ですが、座面の奥行き、背もたれの高さはデザインだけに目が行ってしまいがちですが、ちょっと立ち止まって考えてみると良いかも知れません。 ビジュアル的にいえば、背もたれが低いソファはそれが置いてある部屋の空間を遮ることがないため、広々としたスペースを演出できます。逆に、背もたれの高いソファは少し圧迫感ががるものの、背中から首にかけてカバーしてくれる感覚があるため安定感があり高貴なイメージをだしてくれるでしょう。 ただしこれも、背もたれの具合が体にフィットしているのが前提のお話。体にストレスがかかる姿勢で長時間ソファに座っていると、凝りやつかれの原因になる可能性もあるので注意が必要です。 ちょっと洋風の天井が高い部屋であれば、背もたれの高いソファは贅沢感あふれてとても素敵です。一方、コンパクトな居間に置くと窮屈な感じになることは否めません。 最もメジャーなソファのタイプは、座面の高さが40~45cm、背もたれも入れた高さは床から80~90cmといわれています。 標準はこのくらいであることを頭に入れて、用途や空間に合わせてソファを選んでみてください。 背もたれや座面については、まさに靴と同じ。それを試してみた人で中れば、満足度やフィット感が図れません。購入の際にはお店の人からさまざまなアドバイスがあると思いますが、あくまで自分の座り心地を重視し何度も試して納得してからの購入が必須です。 ソファのカバーは、消耗や倦怠感を理由に張替えが可能です。しかし、本体のソファについては、修理や修正は可能とはいえベースは変わりません。高さ、奥行き、背もたれの角度、肘掛けの有無、設置する空間とのバランスなどなど、購入時に考える事のできる点は幾つかあります。 ソファを購入する際には、こうした必須の条件をメモしておくとよいかもしれません。書くことによって、自分の頭の中でもしっかり整理できます。気に入って試したソファのサイズも、記録しておくと後々の購入にも大いに役に立つことでしょう。