カッシーナのLC4シェーズロングの張替え修理をいたしました。
今回このLC4のシートクッションを張替え修理させて頂いて知ったのですが、多少の改良はあるのかもしれませんが80年以上も前にデザインされた椅子なのですね。
同じ椅子のデザインが80年経っても変わらず、尚今売れ続けてるのが凄いです。
張替えた椅子のシートは張り生地が毛皮のタイプでしたが、元々シートの周りについているパイピングのデザインを無くし、スカイブルーの本革で交換したいとのご希望でした。
椅子の修理前の状態です。
やはり「休暇のための機械」と呼ばれただけあって存在感があります。 是非一度この寝椅子で昼寝をしてみたいものです。 写真を見た限りでは何の問題もなさそうではありますが、ハラコ革の部分に所々ハゲがあったり硬化していたりと経年劣化が見られましたので、爽やかなスカイブルーの本革で張替え修理です。 修理後の様子。 今回は郵送での対応となり、椅子のフレーム部分がないためとても簡素に見えてしまいますがこのブルーの本革シートがフレームに乗ったところを想像するとまた違った感じが出てとても良さそうです。 日当たりの良い場所でクッション性も戻ったこのシートでくつろいで頂きたいと思います。 一般的に流通している本革の大きさは、牛革の場合は牛さんを背中から半分に割った大きさのものが流通しています。 それが革の半裁と呼ばれるものですね。 そして革の横への長さは大体2m前後、つまり牛さんの首あたり~お尻あたりまでが2m前後ということです(革を加工する過程で実際の牛さんの大きさよりは小さくなっています) ですので、今回のような長さが2m近くある製品になると革の継ぎ目がない状態で仕上げるのが難しい場合もあります。 加えて革には伸びる方向などもあるので本来はその伸びの方向を考えて製品にしなければいけません。 ですので、本革は天然製品であるがゆえに仕入れ時に大きさも一定では無く、仕入れた革の周りの部分はシワやヨレなどがあるため一定範囲は椅子やソファーに使えない部分があります。 現状の椅子やソファーの張り生地が布や合皮の場合で今後本革に変えたいなどのご希望がある場合には、仕上がり時に継ぎ目を入れなければいけないなどの場合がありますので、縫製デザインを多少変えなければいけない時もあります。 しかしながら、本革の良さや雰囲気は合成皮革や布にはないものがありますので革についてもお気軽にお声掛けくださいね。 椅子やソファーの張替え修理や木部の塗装修理などはファニチャーリペアテーブルまでどうぞ。