ソファというのは不思議なもので、家族のメンバーが座る位置というのはたいてい決まっているものです。ときには、ペットも自分の場所と心得ている場合もありますね。
そのため、ソファの傷んだ部分だけの張替えをしたいというお客様も少なくありません。
もちろん、そういった贅沢なご注文も問題なくお引き受けできます。
革のソファはたっぷりとした奢侈感がありますが、傷んでくると見た目も見苦しい上に座り心地も悪く腰に負担がかかるなんてことも。
というわけで、今回お預かりしたソファはこちらです。横浜市内の家具店で購入されたものだそうです。
張替え前をご覧ください。
ちょうどお尻が当たる部分、革が剥げてクッションも沈んでしまっています。黒ずみも目立ちますね。しかし、座面以外のほかの部分は汚れも目立ちません。そのため今回は、座面のみの張替えとなったのです。 まずは、座面のウレタンクッションを調整します。これによって、長年にわたるソファのくぼみは解消です。 つぎに、ソファのほかの部分にあわせた革を裁断します。今回はシュリンクではなくシボの少ないスムースのソフトレザーです。 落ち着いたベージュですね。 この裁断した革を、縫製していきます。 使用する革は全て椅子張り専用の革なのですが、用途に合わせて表面処理などの方法が違ってきます。 縫製も完了し、座面の部分、張替え用の革が仕上がりました。 これを、実際のソファに張っていきます。 張替え前の画像と一緒に。。 いかにも座り心地がよさそうです。淡い色は汚れやすいからと躊躇する方も、こんなに風に部分的に張替えができるのならばお好みの色を選ぶのに迷う必要もありません。 張替え後のソファの全体像もどうぞ。不自然なく、座面の部分もなじんでいます。なによりも、座り心地が新品のように抜群に! 日常使いのソファは、見た目もさることながら座り心地が最重要事項です。 くつろぎの場であるべきソファの座りがよくないと、家族団らんの時間も減ってしまうという結果になりかねません。ソファの張替えは、物理的な修理にとどまりません。家族という小さなコミュニティを支える、大事な要素になりうるのです。 愛着のあるソファ、すぐに買い替えることは考えず、予算にあった張り替え方法があることをぜひお心に留めておいてください。